Donanemab in Early Alzheimer’s Disease (The New England Journal of Medicine 2021.3.13 )
イーライリリー社が開発している新しいアルツハイマー型認知症の治療薬の第二相試験の結果が掲載されていました。早期アルツハイマー型認知症の患者合計257名のうち、131名が新薬に126名がプラセボに割り当てられ、陽電子放出断層撮影(PET)と認知症の日常生活評価尺度を用いてその差を調べた結果、新薬を使ったグループでは開始後76週のアミロイド斑減少と日常生活動作能力の向上がもたらされたと述べています。ただ、転帰はまちまちで、目標とするほどの効果は得られていないようでもあり、有効性の判断にはより長期のより大規模な試験が必要であるとも述べています。認知症の治療薬に関しては、開発が難しく、これまでも挫折の繰り返しでしたので楽観視は出来ませんが、エーザイのアデュカヌマブも含めて段々と根本的解決に近付いているような気がします。