Drugs of abuse hijack a mesolimbic pathway that processes homeostatic need. Science 2024.4.19
このところ、ギャンブル依存症が水原一平さんの件で大きな注目を浴びていますが、依存症はギャンブルだけではなく薬物やアルコールなどでも共通して中枢神経系のトラブル、つまり神経伝達物質であるドパミン報酬／快楽システムが関与していることが知られています。この経路は食欲にも関与しており、今回の上記の論文では、人間の生存を維持する基本的な欲求である食欲が、依存症（今回の論文ではコカイン中毒の状態）では、ドパミン系の反応がハイジャックされる形で正常の報酬／快楽回路に狂いが生じて、強く抑制されることが分かりました。
ギャンブル、アルコール、薬物、何を差し置いてもそれらを優先させてしまう状態になってしまうのは、この脳の正常反応が依存物質への刺激で乗っ取られて乱れてしまっているような状態であり、依存の怖さを感じます。依存症は気のもちようではなく、このような中枢神経系の反応が壊れてしまっている病気であることへの理解が必要だと思います。