記事:タンパク質が睡眠の質を向上させる

A gut-secreted peptide suppresses arousability from sleep Cell 2023.03. 30

  熟睡度が腸のホルモンによって影響を受けているかもしれないという睡眠と腸との意外な関係についての論文が報告されていました。

  筆者らはまず神経ペプチドのCCHa1とその受容体が欠損すると、ちょっとした刺激で睡眠が妨げられること、更に、そのCCHa1のなかでも腸から産生されるものが特異的に睡眠に影響を及ぼすことを発見しました。そして、どうやったらこの腸管ホルモンを増やせるのかを検討し、タンパク質を多く摂取することでCCHa1を誘導することをハエとマウスで証明しました。おそらくヒトでも同じような結果が出るのではないかと推測されます。

  年を重ねると夜中に何度も起きてしまうことが多くなりますが、一部にタンパク質の摂取不足によるCCHa1の分泌不足が要因になっているのかもしれません。睡眠不足は認知症を引き起こすことが知られています。熟睡度改善、それに伴う認知症予防のためにもタンパク質摂取を積極的に行うことが重要だと思われます。